資格を取得するメリット(意味)ってあるの??
資格の取得を会社から強制された人、資格に興味がある人ならば、誰もが一度は考えたことがあるかと思います。
結論から言うと資格取得のメリットはあります。
まず、資格は大きく2つに分かれます。
- 職業を独占できる資格
→弁護士、公認会計士、税理士etc
- 職業を独占できない資格
職業を独占できる資格については、言うまでもありませんが、取得(登録)しないと特定の仕事ができないので、メリットになります。
例えば、弁護士であれば弁護士業務自体ができませんし、会計士として監査法人で仕事をするならば、有価証券報告書等の公的な文書に署名(サイン)することができません。
一方、「職業を独占できない資格」は職業を独占できないからといって、メリットが無いと思われがちです。
しかし、むしろ逆で、メリットは十分あると思います。
具体的には、下記3つのメリットがあると考えています。
- 物事の失敗する確率が下がる
→成功体験が増えることで、ストレス少なく過ごせる
- 年収アップの可能性が上がる
→昇格や転職を通じて、給料が増えて、心に余裕ができる
- 未経験の分野に挑戦できる機会が増える
→できることが増え、市場価値が上がる。
順を追って説明します。
物事の失敗する確率が下がる
なぜ資格を取得すると、物事の失敗する確率が下がるのか。
それは、資格に合格するレベルまで勉強することで、特定分野の知識が身につき、経験不足をカバーできるからです。
仕事で新しいプロジェクトを進めるにせよ、投資を始めるにせよ、子育てをするにせよ、何事もただやみくもにやっていては、だいたい失敗します。
仕事でプロジェクトに失敗したとしても、またチャンスがもらえるかもしれません。一方で、投資で資金をすべて溶かしてしまった、あるいは子供との関係が修復できなところまでいってしまった、など世の中には失敗したら取り返しのつかないこともあります。
もちろん、失敗から学ぶことは大事ですが、それよりも成功体験を増やす方が断然ストレスなく過ごせますよね。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉がありますが、全くその通りで、何かを成し遂げるには、その物事に関することがらを理解(認識)する必要があります。そうすれば、適切な対策が打てるからです。
「その物事に関することがらを理解する」とは、すなわち「特定分野の知識をつける」ということです。
「知識」には2種類あります。
- 経験から得られる知識
- 勉強から得られる知識
よく「経験(実務)が重要」であったり、「知識が重要」と単純に区別してしまう人があなたの周りにもいるのではないでしょうか。
私は両者は2つともあまり正確ではないかなと感じます。
カテゴリでいうと「経験」は単独で存在するわけではなく、「知識」の下に「経験から得られる知識」として配置され、それと同列に「勉強から得られる知識」が配置されていると思います。
なので、どちらが重要かという問いは間違いで、互いに補完し合っています。
「経験から得られる知識」と「勉強から得られる知識」は、「右脳」と「左脳」の関係性に近いです。
脳としてうまく機能するには、どちらも切っても切り離せない存在です。
しかし、脳は右脳と左脳が元から備わっていますが、物事に新しく取り組む場合において、未経験であれば、「経験から得られる知識」はありません。
「経験から得られる知識」と「勉強から得られる知識」の両方がないまま、突進すると、ほぼ失敗しますよね。
成功する確率は、0%ではないものの2% + 2% = 4%くらいではないでしょうか。
ここまで聞くと「勉強から得られる知識」って、勉強して理解すれば良いのだから、別に資格を取得しなくても良くね??資格関係なくね??と思う人もいるかと思います。
全くその通りです。
本を読んで勉強するでも良いですし、社会人であればカンファレンスや研修に参加するでも良いですし、学生であれば講義を受けるでも良いと思います。
ですが、資格の良い点は、自分の知識レベルが把握できるところです。
なぜなら、資格は体系的に難易度が設定されていたり、シラバスなどで合格点に達する人の知識レベルが公開されているからです。
その点において、資格は自分の「勉強から得られる知識」がどのレベルにあるのかを明確にしてくれます。
資格の勉強で彼を知り、合格することで己を知り、失敗する確率を下げることで、成功体験を増やし、気分良く過ごしましょう。
年収アップの可能性が上がる
資格を取得すると、年収アップの可能性が上がります。
それは、資格は会社内の昇格や他社への転職の条件となっていることが多く、年収アップにつながるからです。
また、年収アップにより、心に余裕ができます。
資本主義経済で高い収入を確保するには、信用力が重要なキーとなります。
この信用力を提供できなければ、まず高い収入は得られないでしょう。
大前提として、人間は不安に対処することが得意ではありません。
ですから、その不安を解消できるものに対しては多くのお金を払います。
会社でいうと従業員が利益を上げてくれるのかなどの不安がありますよね。
なので会社は信用できる人あるいはできそうな人を雇い、「元からある信用」と「働きから得られる信用」に対して給料を払います。
たまに労働の対価として給料が支払われると言う人がいますが、労働の対価というよりは、成果を出した或いは貢献した人が今後も同一またはそれ以上の結果をもたらしてくれるという信用に対して給料は支払われていると思います。
なぜなら、初年度や次年度の給料って、それ以前の実績で決まるからです。
もちろんインセンティブ賞与などは当期の労働の対価に対して給料が支払われていると思います。
人は無意識に信用を意識しているため、信用を証明できる基準を探してきました。
ひと昔の新卒採用でいうと学歴などですね。
今では、インターネットや技術の発展によって、学歴は関係なく個人でも稼げるようになりました。
しかし基本の構造は変わってはおらず、個人で稼ぐ人もまた発信する情報、あるいは提供する商品に信用力があるからこそ、稼いでいるわけです。
では、会社に入ってからは自身の信用は何で判断されるか。
もちろん実績や人となりなどがその判断要素に含まれると思いますが、資格もその1つとなっていることが多いです。
それはなぜか。
人が信用できないからです。(笑)
少し具体例を挙げると、例えば、会社では人事異動であったり、中途採用により、評価者が変わったりします。あるいは評価される側もしかりです。
そうなると、なかなか適切に評価をすることが難しくなり、任せる仕事のレベルも判断しにくい状態となります。
なので、会社は評価される側がどのくらいの知識レベルを持っているのかを判断するために、資格を基準として採用しています。
また、一般的に、日本企業は資格にこだわり、外資系企業は資格にこだわらないイメージがありませんか?
ところがどっこい、外資系企業でも昇格の条件に資格が採用されていることが多いです。
理由は上記に書いたように、人の入れ替わりが激しいために、一定の基準が必要であるからです。
例えば、「TOIEC700点以上、基本情報技術者、応用情報技術者、簿記2級、統計検定2級のいずれか3つ以上を保持すること。」とのように昇格の条件に組み込まれてたりします。
日本企業では昇格しても、大幅に給料は変わりませんが、外資系企業だと普通に百万単位で年収が上がったりします。
日本企業で低い年収に悩んでるいる人は、外資系企業に転職して、昇格条件の資格を取得することで、年収アップを狙うのも1つの手段だと思います。
未経験の分野に挑戦できる機会が増える
資格を取得すると、未経験の分野に挑戦できる機会が増えます。
未経験の分野に挑戦できる機会が増えると、できることが増え、市場価値が上がります。
市場価値が上がると、転職で年収が上がったり、将来に対する不安が減り、結果的にストレスが軽減されます。
これはメリットであると思います。
「経験したい分野の資格を取得する」→「未経験の分野に挑戦できる機会が増える」→「経験から得られる知識が増える」→「できることが増える」→「市場価値が上がる」という流れで市場価値が上がります。
どういうことか具体的に説明していきます。
例えば、FintecやAIの導入により、需要が少なくなり、将来に不安を抱えている30代の銀行員Aさんがいます。
逆に伸びている分野はITですが、Aさんにはプログラミング経験はもちろんITの知識もありません。
同じ状況下で、IT関連の資格を取得した30代の銀行員Bさんがいます。二人は同じような人柄、年齢、学歴、前職の仕事内容と仮定します。
あなたがIT企業の採用担当者だとして、、Aさんに「やる気はあります!どんどん勉強して追いついていきます。」と言われた場合とBさんに「やる気はあります!どんどん勉強して追いついていきます。その証拠にまずは〇〇の資格を取得しました。」と言われた場合、どちらを信用しますか??
いろんな意見があると思いますが、単純に比較するとほとんどの人がBさんと答えると思います。
結果的にBさんが採用されます。
それはなぜか。
Bさんの方が信用できたからです。
ではなぜBさんは信用されたのか。
それは、自身のポテンシャルの根拠として、判断しやすい資格の取得が使われたからです。
私の実体験で言うと、日商簿記2級の取得が、未経験の分野への入り口となりました。
もともと新卒でシステムエンジニアとして、働いており、会社としても安定していました。
ですが、人生を長い目で見たときに、技術の進歩や社会が複雑化していく中で漠然とした不安がありました。このまま食っていけるのかと。
そのことが要因で、投資に興味を持つようになり、長期的な投資をする上で、貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)を読む必要性があることが判明しました。
とりあえず、BSPLとはどんなものか見てみると・・・これが全く読めない(笑)
なので、どうしたらBSPLが読める(あるいは作成できる)レベルになるのかを調べていると、日商簿記2級が適切なレベルであることが分かりました。
そして、システムエンジニアとして働く傍ら、簿記2級を独学で勉強し、約1か月半程度で取得することができました。 (簿記2級の独学法も今後、書こうと思っています。)
年収も上がりました。
転職の際は、複数の転職エージェントを使用しましたが、会計関連は未経験だと厳しいと言われるエージェントもいました。
それはそれで最もだと思います。
しかし、Bさんと同じロジックでポテンシャルの根拠を示すことで、無事採用されました。
また、一般的にできること(スキル)が増えると、市場価値が上がると言われています。
市場価値は希少性で決まります。
例えば、1つのことを5~10年続けると、その1つのことがある程度できるようになり、100分の1の存在になると言われています。
この100分の1人という存在が希少性になります。
では、できることが3つに増えたらどうでしょうか。
100分の1 × 100分の1 × 100分の1 = 100万分の1
つまり、100万人に1人の希少性になり、市場価値が上がります。
実際、転職サイトで中途の求人情報を見てみるとわかりますが、給料の高い職ほど、システム開発経験、マネジメント経験、英語、会計の知識など複数の条件が提示されていたりします。
これはできることが1つではなく複数ある人=希少性があり、市場価値が高い人へ良い給料を提示していると言い換えられると思います。
なので、できることを増やしたい、年収を上げたいと考える人は、「経験したい分野の資格を取得する」→「未経験の分野に挑戦できる機会が増える」→「経験から得られる知識が増える」→「できることが増える」→「市場価値が上がる」という流れで、まずは「経験したい分野の資格を取得する」から始めるのも有りかと思います。
まとめ
ここまでをまとめると、あなたが取得する資格が「職業を独占できない資格」だとしても、きちんと勉強し、資格を取得することで
- 物事の失敗する確率が下がる
→成功体験が増えることで、ストレス少なく過ごせる
- 年収アップの可能性が上がる
→昇格や転職を通じて、給料が増えて、心に余裕ができる
- 未経験の分野に挑戦できる機会が増える
→できることが増え、市場価値が上がる。
というメリットが得られます。
ただし、条件が3つあります。
それは
- 一般的に求められている資格であること
- 伸びている分野の資格であること
です。
「一般的に求められている資格であること」というのは、会社で昇進条件になっている、転職の必須あるいは歓迎条件になっている資格という意味です。
上記2つの条件を満たしていないと昇格や転職での年収アップは難しいです。
取得を目指す資格をキーワードにして、転職サイトなど検索すると、どんな位置付けで資格が扱われているのかが分かって面白いです。
次に「伸びている分野の資格であること」というのは、資格を取得したとしても、その知識を活かすためには、その分野での需要が伸びている必要があります。
需要が減少している分野の資格を取得したとしても、あたり前ですが、使いようがなければ元もこうもありません。
この2つの点に気を付けて、ぜひ資格の取得を目指してみてください。
というわけで、資格を取得する3つのメリットをご紹介しました。
それでは。