こんにちは。
デカチワです。
今回は未経験転職に特化した志望動機の書き方を、私の実体験を元にお伝えしていきます。
その前に簡単に経歴をお話しします。
私は新卒で大手Slerに就職し、SE(システムエンジニア)として4年間勤めた後、システム監査人へ転職しました。年代としてはアラサーの男です。
「SE → システム監査人」というように未経験の業界・職種へ、文字通り職を転じました。
現在のところ転職経験は一回ですが、転職活動していた当時は、志望動機を書くことにめちゃめちゃ悩んで苦労しました。
なんせ中途採用で未経験ですから、当然に経験者が書く志望動機と比較し明らかに劣る可能性がありますよね。
結論から言うと、未経験者が転職で内定を勝ち取るためには、それなりに工夫が必要です。
みなさんと同様、私も初めはとりあえずググりました。
ですが、検索結果に表示されるのは、どれも転職サイトや転職エージェントが運営しているものばかりで、どれも当たり障りのない内容が多く、腹落ちしないことが多かったのが正直な印象です。
また、転職活動初期は、エントリーで落ちることもしばしばありました。
落ちるとやっぱり凹みますよね。時間も無駄になります。
そこで、志望動機の構成を根本から見直すことにしました。
夜遅くに仕事から帰って、1DKの部屋のキッチンにPCを置き、ああでもないこうでもないと葛藤していたのを思い出します。
思考錯誤の結果、今回お伝えする5つのコツに辿りつくことができました。
5つのコツを盛り込んだ志望動機で、エントリーで落ちることはなくなりました。
もちろん、面接では相性や面接官の心理状況も関係するので、落ちることはありましたが。
志望動機の構成を見直した結果、私はSEからシステム監査人へ転職することができました。
未経験の転職。中には否定や反対する人もいるかと思いますが、私は大いに賛成です。
挑戦する姿勢。素晴らしい。
変化を恐れない心。これもまた素晴らしい。
ということで今回は
- 未経験の職種や業界への志望動機が思い浮かばない・・・
- 志望動機に工夫が必要というのは理解できるけど、具体的なイメージがわかない
- 志望動機を履歴書に書いてエントリーしてるけど、落ち続けて正直辛い
- 辛い上に現職が忙しいので、もはや志望動機のテンプレが欲しい
という悩みに応えます。
この記事を読めば、未経験転職に特化した志望動機の書き方が理解できるだけなく、公開するテンプレの味付けを少し調整するだけで、独自性のある志望動機が作成できるようになります。
目次はこちらです。
順を追って解説していきます。
目次
志望動機は何のためにあるのか
「志望動機は何のためにあるのか」
結論から言うと、企業と求職者のマッチングのためにあります。
意外ですか??
「内定をもらうためにあるのかと思った!」、「自分の想いを伝えるためじゃないの?」という声が聞こえてきます。
このような場合は、まず終わりから考えてみます。
転職の終わりは内定です。では、内定が発生する条件は何でしょうか?
あなたが入社したいと伝えて、企業が入社してほしいと思ったら、内定が発生します。
そのためには、あなたが入社する理由が企業があなたに入社してほしいと思う理由とマッチしている必要があるのです。
例えば、あなたが志望動機を「お金を得るため」にしたとしましょう。
これはNGです。
なんでダメなのか??
志望動機の目的を思い出しましょう。
志望動機は「企業と求職者のマッチング」のためにありましたよね。
あなたは労働の対価として給料としてお金を得ます。
「お金を得るため」という志望動機において、あなたには得たお金を自身の生活に使用できるメリットがあります。
一方、企業側は給料を支払う対価としてあなたの労働を得ます。
ですが、あなたの労働にどんなメリットがありますか?どんな価値がありますか?利益を出すと言って信用されますか?
企業側に提供するメリットとその理由が志望動機に含まれていなければ、入社してほしいとは思われないのです。
したがって、「高い給料がもらえるから入社したい、その代わり結果(利益)を出す」では、入社してほしいと思われない。
利益(=メリット)が発生する「理由」が含まれており、その「理由」があなたのメリットと関連していなければ信頼性に欠けます。
ゆえに落ちます。
以上のことをハッキリと理解できれば、志望動機を覆い囲む深い霧が晴れてきます。
そしてようやく前に進めるのです。
伝えられることは限られている。志望動機の文字数の目安
私も転職活動の際に、気になっていたのは志望動機の文字数。
新卒の就活の際は、履歴書+エントリーシートがあったので割と志望理由を満足に書くことができました。
転職の場合、中途採用となることが大半なので、ほとんどの企業が履歴のみの提出となります。(別途、質問票などを提出することもありますが)
履歴書に記載できる志望動機の目安は意見が分かれていますが、
だいたい200~300文字程度でまとめておく必要があります。
200~300文字というと思ったりより、少ない文字数ですよね。
ですから、伝えられることは限られてきます。
面接へと進むためのトリガーとなる重要性の高い内容を盛り込んで、詳細は面接で話すことが理想です。
具体的に話しを聞いてみたいなと思わせることが最優先です。
転職において未経験であることの問題点とは
そもそも転職において未経験であることの問題点とは何でしょうか。
ざっくり、分析してみます。
前提として、仕事をする上で最も重要な要素は何か考えてみます。
まず周知の事実として、仕事には必ず問題が発生するということは言うまでもありません。
したがって、発生した問題へ上手く対処していく必要があります。
上手く対処できれば問題は収束し、対処できなければ問題は拡大するか残り続けます。
個人的な考えですが、問題へ上手く対処するには、「知恵」が必要だと思います。
「知恵」とは「物事の筋道がわかり、うまく処理して行ける能力。」と定義されています。
知恵の定義を詳しく見ていきましょう。
物事の筋道がわかる→専門用語やその分野の成り立ちを理解している
うまく処理して行ける能力→過去の経験から未来を予測し対処することができる
定義を分解すると、このように言い換えることができます。
もう少し簡潔に前者を「勉強から得られる知識」、後者を「経験から得られる知識」としましょう。
この2軸だと下記のパターンが挙げられます。
- 「勉強から得られる知識」も「経験から得られる知識」もない
- 「勉強から得られる知識」はあるが「経験から得られる知識」はない
- 「勉強から得られる知識」ないが「経験から得られる知識」はある
- 「勉強から得られる知識」「経験から得られる知識」両方ある
未経験者が当てはまるのは、1番と2番です。
2番は「ベースの知識があるから、なんとか業務ができそう」と思われそうですね、検討の余地があります。
1番は正直厳しいですね。2番に近づける必要があります。
ここまで分析すれば、未経験の問題点は「業務ができる可能性が感じられない」ことであると理解できるかと思います。
これで明確になりました、あなたは2番を目指すべきです。
「業務ができる可能性」をアピールし、それを伝えることができれば良いのです。
未経験でも志望動機がすらすら書ける5つのコツ
ここまでのエッセンスをまとめると
- 「入社意欲を伝えること」ではなく「企業と求職者のマッチング」が志望動機の最上位の目的
- 履歴書の志望動機欄では伝えられることが限られている
- 「業務ができる可能性を感じられないこと」が未経験転職の問題点
- 未経験の転職ではベース知識をアピールするべき
未経験転職の志望動機において、上記が重要であることをお伝えしてきました。
その上で、志望動機をどういった構成で仕上げていくべきなのか、5つのコツを解説していきます。
【コツ1】職種を志したきっかけを具体化する
1つ目のコツは
「職種を知ったきっかけを具体化する」です。
なぜ、「きっかけ」なのか。
それは、「きっかけ」が最もギャップを演出できるからです。
人はギャップに惹かれるものです。
重要なので繰返しますが、履歴書の志望動機では文字数に上限がある。つまり、伝えられることが限られているのです。
ですから、志望動機を採用担当が見た時に「会ってみたいかも。もう少し話しが聞きたいな」と思えるかどうかがミソです。
例えば、営業から経理職を志望しているAさんとBさんがいるとします。
- Aさん:コツコツ仕事をするのが好き。事務職を探す中で経理職を知って志すようになった
- Bさん:財務に詳しいお客様と会話する機会が多く、財務管理の重要性を感じ、経理職を志すようになった
AさんとBさん、どちらにきっかけにギャップを感じますか。
Bさんですよね。
「商品・サービスを売る」と「財務を管理する」には、そもそも工程や立場が異なるので、ギャップを感じそうです。
Aさんは現職が営業だとしても、コツコツ好きはどこにでもいそうですよね。
Bさんのきっかけは、「営業なのに財務管理の重要性を感じた話しってどんなだろう?」と採用担当者に感じさせることができます。
履歴書の志望動機できっかけの概要を語り、詳細は面接で。
「詳しくはWebで」の応用版です。
詳細を面接で話すためには、履歴書を作成する時点で、きっかけの具体的な詳細まで考えておく必要があります。
PCスキルなどは、志望動機に含めなくて良いです。志望動機には余計です。
自己PRなどで軽く語ればよしです。
【コツ2】あなたが入社することで発生する双方のメリットを具体化する
志望動機の最上位の目的は、「入社意欲を伝えること」ではなく「企業と求職者のマッチング」でしたね。
あなたが入社することで、発生するお互いのメリットを伝えましょう。
営業から経理職を志望するのであれば、財務や会計の知識が得られることが、あなたメリットです。
複数部署との連絡や交渉を円滑化できることが企業のメリットです。
お互いのメリットを提示してはじめて、入社してほしいと思ってもらえるのです。
あなたの志望動機が企業とあなたをマッチさせます。
【コツ3】メリットは目的であり理由である!それこそ志望動機のメインメッセージ
コツ2でお伝えしたように、メリットが企業とあなたをマッチングさせます。
メリットは目的であり理由です。
この構造を認識することで、いろんな質問パターンに答えることができ、面接でも威力を発揮します。
志望する目的ってなに? → メリットを回答!
志望理由はなんですか? → メリットを回答!
なぜこの会社なの? → メリットが他企業よりも大きい理由を回答!
お互いのメリットこそが、志望動機のメインメッセージです。
【コツ4】あなたが志望するまでに至った過程がメリットの根拠になる
ここまで、
「お互いのメリットこそが志望動機のメインメッセージ」ということを説明しました。
そこで忘れてはいけないのが、メリットが発生する根拠を添えること。
いわゆる理由付けですね。非常に大事です。
根拠のない主張は、主張ではなく単なる宣言です。
なぜメリットが発生するのか根拠を伝えましょう。
根拠として有効なのは「あなたが志望するまでに至った過程」です。
つまり、ストーリーです。
営業から経理職への転職であれば
営業の仕事の中で財務に詳しいお客様から財務の重要性を学んだ(きっかけ) → 財務管理に携わりたいと思う → 経理職について調べる → 複数部署とのコミュニケーションが必要であるため営業経験を活かせる(メリットの発生) → 志望する
このような過程を盛り込むことで、ギャップを示しつつお互いのメリットの根拠を伝えることができます。一石二鳥です。
あなたのメリット:財務や会計の知識と実績が得られる
メリットの根拠:営業経験を通して財務の重要性を学んだ。挑戦したい。
企業のメリット:複数部署とのコミュニケーションを円滑化できる
メリットの根拠:営業を通して多くのお客さんと接してセールスしてきた。雑談の中でも情報を引き出せる。
なぜストーリーは人を引き付けるのか。
哲学者アリストテレスの「説得の3要素」というものがあります。
その3要素とは、
- エトス:信頼(信頼感の熟成)
- ロゴス:論理(データや統計)
- パトス:情熱(感情への訴えかけのストーリー)
です。
プレゼンの極みと呼ばれるTEDにおいて、TED史上最も長いスタンディングオベーションを受けたプレゼンがあります。ブライアン・スティーブンソンのプレゼンです。
そのプレゼンの内容を分析するとエトスが10%、ロゴスが25%、パトスが65%であることが分かりました。
ストーリーを語ることは、太古から重要な構成要素とされており、事実、ロジカルさが重要だとされている現代においても、爆発的な威力があります。
ストーリーは心に無意識的に響くのです。
気になる方は、AmazonでTEDの本を購入できます。
【コツ5】恥ずかしがらなくて良い、努力を伝える
後はあなたの意気込みを見せるのみです。
志望動機の初めから意気込みを見せる必要はありません。
初めはロジカルに、最後にパッションです。
あなたに「業務ができる可能性」があることを示してみましょう。
未経験であるがゆえ、知識が足りない、知識不足を補うために、資格を取得した。
あるいは資格取得に向けて勉強をしている。
資格ではなくとも、オンライン学習を続けているなどでも良いです。
「業務ができる可能性」を示すには才能と努力を示す必要があります。
なぜなら、「業務ができる可能性」は才能と努力の両輪で動くためです。
才能はなかなか示しにくいですが、努力はある程度の形として提示することができます。
最後はパッション。恥ずかしがらずに努力を伝えましょう。
5つのコツを盛り込んだ志望動機のテンプレを公開!
順次、職種毎のテンプレ例を追加していこうと思います。
※あくまで私が思いついた例です。
例1)営業 → 経理
営業で培った交渉・折衝の経験を活かしながら経理職に挑戦できると考え、御社を志望しております。5年間一貫し〇〇の営業として、計30社ほど、約100名程のお客様と仕事をし、信頼関係を築いて参りました。その中で、財務に詳しいお客様とお話しする機会が多く、財務管理の重要性を認識したことが、経理職を志したきっかけです。ミスの許されない仕事であると同時に、複数部署とのコミュニケーションが必要である職種だと考えています。未経験ではありますが、事業数が多く、取り扱うサービスも現職と類似している御社でこそ、交渉・折衝経験を活かせると考えております。まずは知識不足を補うため、日商簿記2級の資格を取得いたしました。